おねしょと夜尿症の違いとは?
「おねしょ」と「夜尿症」は、どちらも寝ている間に無意識に排尿してしまうことを指しますが、「年齢」によって呼び方が異なるのです。
乳幼児期のおもらしは「おねしょ」と呼び、5~6歳以降も1ヶ月に1回以上のおねしょが3ヶ月以上続く場合は「夜尿症」と呼ばれます。
夜尿症の子どもの割合は、5~6歳で約20%、小学校低学年で10%、10歳児でも5%とされており、意外と多いことがわかります。
おねしょくらいで病院に行ってもいいの?
おねしょをする子の親の気持ちは、「怒り」や「失望」、「イライラ」が7割を占めると言われます。
どうしても「おねしょは恥ずかしいもの」「親の教育が悪いから」という考えが根強く、「おねしょくらいで病院に行っていいのかとわからない」という人もおり、なかなか医療機関に相談に行かない親が多いです。
風邪や虫歯の治療が優先で、経済的にもおねしょの治療は後回しになりがちです。
実際、どのタイミングで治療に行けば良いのでしょう。
4歳のうちはまだ身体の発達が追い付いていないだけで、「おねしょ(一週間に数回、無意識に寝ている間に排尿してしまうこと)」の範囲と言えるので、まだ病院にかかる必要はありません。
しかし、5歳を過ぎたおねしょは「夜尿症」と診断されるので、病院に行くべきです。
「夜尿症」は保険が適用されるので安心です。
あまり知られていませんが、実は夜尿症の患者は全国に78万人いると言われています。
これは、ぜんそく患者より多い数ですが、その78万人のうち実際に病院に行くのは20万人で、治療までたどり着くのは10万人程度とみられています。
夜尿症は放置してもなかなか良くなりません。
一般的な病気と捉え、積極的に病院へかかりましょう。
おねしょ(夜尿症)による二次的問題とは?
夜尿症という病気は、死亡例こそありませんが、当事者にかかるストレスはかなり大きなもので、いじめや両親の不仲と同じくらいのストレスが加わると言われています。
夜尿症を持っていると、自尊心や自己肯定感が下がりがちです。
夜尿症でない子と比べると、夜尿症の子の方が学力も低い傾向にあり、夜尿症をきっかけにイジメ、不登校など「二次的問題」につながる場合もあります。
樹木希林は、自身のインタビューで「4,5歳~小学校高学年までずっとおねしょしていた。毎朝学校行前に布団を干すのが日課だった。普通なら親は怒ったりするけど、食べて行くことに精一杯だったので叱られたことはなかった」と答えました。
樹木希林の両親はおねしょを怒ったりしなかったので二次的な問題は起こりませんでしたが、あるデータでは、子どもが夜尿症であることが「両親の離婚」や「争い」、「精神的外傷」をもたらすと認められています。
夜尿症は、病院で積極的に治療した方が、早く治る疾患です。
早く治せば治すほど、当然子供の自己肯定感も上がり精神的にも良いので、二次的問題の防止につながります。